日本百名山・槍ヶ岳登山レポート《後編》
どうもこんにちは、ちはるです。
今回は、先日投稿した槍ヶ岳登山レポート《前編》の続きです。
《後編》は横尾を出発して槍ヶ岳山頂に至るまでの道程を書いていきます!
ということで、まずは登山二日目の様子をご覧ください!
(前回の槍ヶ岳登山レポート《前編》はコチラ)
1.槍見
槍見河原
横尾山荘にて朝食をとった後、槍ヶ岳山頂を目指して歩き始めます。
写真中央にも何やら『危険』と注意書きがあるのが分かると思いますが、ここから先のコースは、普通の登山道となっていきます。
バスターミナルから横尾までの道のりは非常になだらかなので、比較的誰でもアクセスしやすくなっていますが、これ以降はそれなりの準備をして進むことを強くお勧めします。
もちろん、横尾までの道中も、準備が一切いらないという意味ではありませんよ!
写真だと伝わりづらいかもしれませんが、この辺りから森が一層深くなるような印象を受けました。
上高地を歩いている最中も熊の出没情報の掲示をよく目にしましたが、それこそ、熊が本当に出没しても何も不思議ではないな、と感じさせる雰囲気です。
何の実ですかね笑
青々とした苔と水流が、素敵な風景を演出しています。
美しいですね。
もちろん、水の流れは素晴らしい眺めをもたらすだけでなく、こうした形で牙をむいたりもするわけですが笑
実のところ、この前日の未明頃は、関東圏では台風が猛威を振るっていました。
上高地のあたりも同じ台風の影響で、普段より水量が増していたんじゃないかなぁ、と思っています。
そして横尾山荘を出発して40分ほどで、槍見河原という地点に到着しました。
なんでもこの槍見河原からは、槍ヶ岳の穂先を望むことができるそうです。
ただしこの情報、登山後に調べて知ったもので、当時は地名から「もしかして槍ヶ岳が見えるのか……?」程度に考えておりました。
そしてキョロキョロしながら撮った写真がコチラ。
んー、見えない……笑
でも槍見河原の標識がある場所から撮ったので、見えるものならココから見えるのだと思うんですが……。
方角的にはこの方向で正しいようで……、ここから少し道を進んでみても、見えなかったと思うんだけどなぁ。
うーん。
槍見河原では綺麗なノコンギクが揺れておりました。
槍沢ロッヂ
槍見河原の先へ進んでいきます。
槍見河原から少し進むと、一ノ俣橋が現れました。
以前はこの一ノ俣橋付近から、常念岳と横通岳の鞍部にある常念小屋への登山道が伸びていたらしいのですが、今は廃道になっています。
指導標の周囲は開けた場所になっていて、休憩をするには丁度いい場所です。
登山道は、川の流れを横手に続いていきます。
そして一ノ俣から少し進むと、再び橋が現れました。
横尾山荘を出発してから、およそ一時間ほど。
道はまだまだ続きます。
そして、歩き始めてから約1時間10分で、この日の第一中継地点、槍沢ロッヂに到着しました!
小屋の前にはベンチと机が設置されていて、腰を掛けて休憩することが出来ます。
また有料でトイレの利用も可能です。
ここから先の道はいよいよ本格的な登山道となっていくので、呼吸を整え、身支度を整えるのに丁度いい場所です。
素敵な眺めですね。
毎日朝起きて、この景色を見られたらとても幸せそうです。
ちなみに、この槍沢ロッヂではテント泊も可能ですが、テントを張る場所はこの広場ではなく、のちほど登場するババ平という場所がキャンプ指定地となっているようです。
2.槍ヶ岳山荘を目指す
ババ平
と言うことで、槍沢ロッヂにて小休憩後、再び歩き始めました。
ここからの道中には、こんな感じで地名(?)が書かれた岩が所々にあります。
それぞれそのスポットの特徴を表しているのだろうとは思うので、こうした岩に出会ったら辺りを観察してみるのも面白いかもしれません。
ロッヂを出てすぐに出会うこの岩は「槍見」なので、ここから槍ヶ岳の山頂の姿を見ることが出来るのだと思いますが……僕が訪れた時はよくわかりませんでした笑
上高地から槍沢ロッヂにかけての道と打って変わって、ごろごろ岩の転がる足場が目立つようになります。
そして約30分ほど歩いて行くと、槍沢ロッヂの指定キャンプ場であるババ平に到着しました。
このババ平には、キャンプ場というだけあってトイレのほか、水場もありました。
ここから先のルート上、山小屋に到着するまでトイレはありません。
また、水場はこの先に水沢という 水場スポットが存在しますが、あくまで天然の水場なので、「この先に水場がある!」と過信するのは止めておきましょう。
ババ平の辺りから山頂方向を見た写真。
良い眺めです。
いろいろな沢
ババ平を出て、槍ヶ岳山頂を目指します。
登山道の左手には、この様な景色が広がっています。
この辺りの地形は、以前、木曽駒ヶ岳の記事でも紹介したカール地形となっているそうです。
そんな景色を眺めつつ、道をどんどん進んでいくと、行く先々で、いろんな名前の沢と出会いました。
たくさんありますねぇ。
雪解けの時季などは、これらの沢に多くの水が流れているんでしょうか。
そしてババ平から約20分歩くと、槍沢大曲りと言う地点を通過します。
槍沢大曲りを通過した後も、道はまだまだ続きます。
んー、まだまだありますね笑
そして、槍沢大曲りを通過してから更に50分ほど歩くと、やがて槍沢・天狗原分岐に到着します。
この分岐点は、槍ヶ岳山頂方面への道と、天狗原への道との分岐点になります。
この天狗原は別名を氷河公園と呼ばれ、槍穂随一の秘境とも言われるとか。
氷河公園にある天狗池は槍の穂先が写り込むこみ、素晴らしい景色を見ることができるそうです。
槍ヶ岳に向かうルートからは寄り道と言う形になるので今回は足を延ばしませんでしたが、時間と体力に余裕のある人は、立ち寄ってみるのも良いかもしれません。
と、いう事で引き続き登り続けます。
ひたすら登ります。
平らな道ばかりだった1日目に比べ、ハードな道のりです。
そして、黙々と進み続けると、また新たな沢に出会いました。
先ほどもチラッと紹介した、水沢です。
ご覧の通り、水が湧き出ています。
いちおう、この水が飲み水として利用できるそうです。
水量的に心許ない気がしないでもないですが……、時季によっては、汲みやすく豊富な水が湧き出ているのかもしれませんね。
こちらは槍沢。
この沢が、コースやロッヂなどの名前の由来となっているんでしょうか。
山頂が近づいてくる
岩がゴロゴロした斜面を登っていくと、そのうちハイマツが茂る一帯に辿り着きます。
この一帯はグリーンバンドと言って、紅葉の季節などは、とても綺麗な景色が楽しめるそうです。
そして、そのグリーンバンドから山頂方面を仰ぎ見ると……。
ついに、槍の穂先が……!
ちょうど雲が立ち込めて、薄ぼんやりとしていますが、まさに槍の切っ先のごとき山の頂が見えています。
凄いですね、感激です。
ずっと続く登りの道でヘトヘトになっていましたが、この眺めを見ると、元気が戻ってくるような気がします。
そして、この辺りから見た上高地方面の景色はコチラです。
いやぁ、登ってきましたねぇ。
槍の偉容に励まされつつ登ると、やがてとある物が見えてきます。
それがコチラ。
この岩屋は播隆窟と言い、槍ヶ岳の初登攀・開山を成し遂げた播隆上人が、登山のたびに利用した岩屋であるそうです。
もちろん温かい時期に登ったのだろうとは思いますが、こんな場所に寝泊まりするなんて、凄いですね……。
寒くなかったのかな……などなど、そんな事ばかり気になってしまいました笑
さて、いよいよ山頂が近づいてきました
山頂付近の山小屋には、槍ヶ岳山荘の他に殺生ヒュッテという山小屋があります。
この殺生ヒュッテから槍ヶ岳山頂へは、およそ40分ほどで登れるそう。
この辺りから、最後の急な登りになります。
大きな荷物を背負っての登山、既に疲労困憊状態でしたが、何とか気合いで足を動かします。
ようやく、この日泊まる予定の槍ヶ岳山荘の姿も見えてきます。
そして、横尾山荘を出発してから、昼食などの休憩も含めて7時間30分。
ようやく、槍ヶ岳山頂直下の山小屋、槍ヶ岳山荘に到着しました!
いやぁ、もうヘトヘトです笑
3.槍ヶ岳山頂
大変ヘロヘロだったのですが、山荘で一息ついてから、槍ヶ岳山頂を目指しました笑
とは言え、荷物は山小屋に預けての行動なので、身軽な物です。
ちなみに、こちらの槍ヶ岳山荘では、有料でヘルメットの貸し出しを行っています。
山頂部分は岩場になっていて、落石がないとも限らないので、十分に備えていきましょう。
山頂直下の岩場の様子。
こんな感じで、時に鎖や打ち付けられたペグを頼りに、岩場をよじ登っていきます。
今回紹介したコース中では、間違いなく一番の難所。
何かあれば冗談では済まないので、慎重に進みます。
そしてガタつくペグに恐れおののいたりなどしながら岩場を登り、山頂に到着しました!
標高3,180メートル。
日本百名山の一山にして、日本で5番目に高い標高である槍ヶ岳、登頂です!
いやぁ、登りました。
疲労もさることながら、スリルある岩場を最後に登ったこともあり、達成感もひとしおです。
登頂直後は山頂全体が雲に覆われていて、視界がほとんど効かない状態でした。
が、残念に思いつつ岩場を下り始めると、辺りの雲がどんどんと晴れ始めたのです。
「お、これは」と思い、再び山頂に登りなおしてみると(笑)、完全にではありませんが、遠くの景色を見ることが出来ました。
いやぁ、素晴らしい。
少しでも晴れた景色を見ることが出来て本当に良かった!
大部分が雲に覆われていますが……笑
まあそれでも、こうした景色を見れて、登った甲斐があるというものです。
ちなみに、雲が晴れてくれたおかげで、山頂から槍ヶ岳山荘を見下ろすこともできました。
これだけ近くに建っているんですね。
山頂は狭く、他の登山者もいたので、少しだけのんびりしてから、今度こそ岩場を降りていきました。
4.おわりに
ということで、槍ヶ岳登山レポートでした!
《前編》で書いた一日目のルートに比べ、段違いに本格登山な二日目でした笑
それ故にとことん疲れましたが、槍の穂先に立った時の達成感は、これまたその他の山と比較しても、段違いに大きい物だったように思います。
一日目、上高地を進んでいった道中もそうでしたが、景色が本当に素晴らしく、他とは一段違った雰囲気の登山だったので、そう感じたのかもしれません。
山頂からの眺めはだいぶ雲に覆われたものとなってしまいましたが、またいつか再チャレンジしてみるのも良いかなぁ、と思ったり思わなかったり。
ちなみに、三日目は天候が崩れてしまい、終始雨に打たれながらの下山となりました。
富士山の時もそうですが、天気に恵まれてないですね……苦笑
といった感じで、今回の記事はこの辺りで終了したいと思います。
ではでは、ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
日本百名山・槍ヶ岳登山レポート《前編》
どうもこんにちは、ちはるです。
今回は昨年の9月に行った槍ヶ岳登山の様子について書いていきたいと思います。
槍ヶ岳登山は
- 1日目:上高地バスターミナル~横尾
- 2日目:横尾~槍ヶ岳
- 3日目:槍ヶ岳~上高地バスターミナル
といった具合の槍沢コースに2泊3日スケジュールで挑んだため、これらを《前編》と《後編》に分けていきます。
ということで、まずは登山一日目の様子をご覧ください!
(過去の百名山登山レポートはコチラ)
0.槍ヶ岳とは
槍ヶ岳は、飛騨山脈南部にある標高3,180メートル、日本で5番目に背の高い山です。
名前の由来でもある槍の穂先のような山頂の形状は非常に印象的で、この「槍」は信州のあちらこちらで見ることが出来ます。
槍ヶ岳を登るためのコースは数種類存在しますが、中でも槍沢コースは特別に危険な場所もなく、ある程度体力・登山経験のある人には登りやすいコースとなっています。
ただし深い自然に囲まれたコースは熊の出没報告も多く、熊鈴などの準備も必要となってくるでしょう。
1.明神
と言う事で、2泊3日の槍ヶ岳登山の開始です。
スタート地点は上高地バスターミナルになります。
この上高地バスターミナルのあたりはビジターセンターや売店があります。
また、あの有名な河童橋があるのも、この地点。
良い眺めですね。
山や空の美しさもさることながら、河の水の透き通りようと言ったら、目を見張るものがあります。
この河の名前は梓川。
その水源は、今回の登山の目的地、槍ヶ岳になっています。
ひとまず、この上高地バスターミナルからは、こうした景色を楽しみつつ、明神方面へ進んでいくことになります。
しばらくの間、整備の行き届いた道が続きました。
バスターミナルを出て間もないこの付近では、テント泊も可能なようです。
少し森っぽく?なってきました。
上高地から見られる梓川は水の綺麗さが目を引きますが、個人的に、川辺の砂や岩が綺麗な白色である部分も特徴的だなぁと思いました。
写真では分かりづらいかもしれませんが、空や川の青や森の緑によって、間近で見るとその白さが一層際立ちます。
ほっと溜め息が出るような、見ていて飽きない風景です。
そして、バスターミナルから、さほどアップダウンもない道を歩くこと40分ほどで、第一目的地の明神に到着しました。
こちらには明神館という宿が建っています。
かつて、江戸時代の頃はこの明神のあたりを指して、上高地と呼んでいたそうです。
明神では、明神岳を望むことができるほか、明神池の参拝も行えます。
バスターミナルからのアクセスも比較的容易であるため、多くの観光客に好まれる場所と言えるでしょう。
明神館前のベンチで小休憩後、次の目的地、徳沢を目指しました。
ここからは、これまでにも増してトレッキングコース然とした道になっていきます。
2.徳沢
明神から徳沢へ向かう途中で見た池。
水の流れがないと、より水の透明さが際立ちます。
明神から徳沢にかけての道も、比較的なだらかで大変歩きやすい道になっています。
そして約40分ほど歩けば、徳沢に到着します。
この徳沢には徳沢園や徳沢ロッヂと言った山小屋が建っています。
以下の写真は徳沢園の写真です。
こちらの徳沢園、井上靖の小説『氷壁』内で登場する山小屋のモデルとなっている場所でもあるそうです。
徳沢で小休憩後、この日の最終目的地である、上高地の最奥、横尾を目指し、再び歩き始めました。
3.横尾
徳沢から横尾への道は、これまでと比べて若干山道らしい様相を呈してきます。
とは言え、まだ本格的な激しい登山になるようなことはありません。
道は多少のアップダウンも増えてきましたが、それでもなだらかなものでした。
そして徳沢から、これまた約40分ほどで、この日の最終目的地である横尾山荘に到着しました。
4.横尾山荘
一日目の行程が非常にシンプルで記事がだいぶ短くなった(笑)ので、軽く横尾山荘の紹介をしてみようかと思います。
外の様子
山荘のすぐ目の前は、大きな広場になっています。
僕が訪れた日は天気も良く気温も程よい涼しさだったので、多くの宿泊客達が広場に設置されたベンチに腰掛け、思い思いにくつろいでいました。
この広場からは、前穂高岳の威容を望む事ができました。
大自然の中、前穂高の姿を仰ぎつつ飲むビールは美味しかったです笑
山荘の売店ではお酒やジュースといった飲み物のほか、軽いお菓子なども売っていたので、広場でのんびり過ごすにはもってこいだと思いました。
また、上の写真にも写っている通りこの広場のすぐ目の前には横尾大橋という橋が架かっています。
梓川を跨いで架かるこの橋は涸沢カール、穂高岳への登山道に繋がっているようです。
あれだけ広かった川幅も、だいぶ狭まってきていますね。
これは広場にいた鳩。
室内について
客室には、2段ベッド室と和室・広間の2種類あるようです。
僕が泊まった2段ベッド室は2段ベッドが4台ほど並ぶ部屋でしたが、寝床はとても清潔で、かつ寝床一つひとつにカーテンが設置されていたため、快適に過ごすことができました。
また、横尾山荘で特筆すべきは、やはりお風呂に入れることでしょうか笑
山小屋泊で入浴できるのは、かなり有り難いです。本当にうれしい笑
その他にも携帯の充電程度のコンセント利用が出来たりなど、嬉しいポイントが多い山小屋・横尾山荘。
詳しくは、山荘のHPをチェックしてみて下さい。
5.《前編》おわりに
ということで、槍ヶ岳登山レポート《前編》でした!
上高地バスターミナルから横尾までの道のりは本当に緩やかで、距離自体はそこそこになりますが、のんびりとしたハイキングのような趣がありました。
もう何度も言っているのでしつこいくらいですが(笑)、本当に梓川が綺麗なんですよね。
川底が見えるほどの透明度。
ここまで綺麗な川は、都会を離れた場所であっても、なかなかお目にかかることが出来ないんじゃないかなぁ、と思います。
本当に一見の価値ありです。
そんな梓川の水源・槍ヶ岳へのアタックの様子は、後日《後編》として掲載したいと思います。
と、いうことで今回の記事はこの辺で。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
↓↓↓後編はコチラ
日本百名山・富士山登山レポート
どうもこんにちは、ちはるです。
年明け1発目の登山記事。
今回は、お正月にふさわしく(?)、昨年8月に登った富士山について書いていきたいと思います!
人生初の富士山登山、いくぞ!笑
(過去の百名山登山レポートはコチラ)
0.富士山とは
標高3,776メートル、言わずと知れた日本一、標高の高い山。
日本に住んでいて、山梨県と静岡県に跨るこの活火山を好まないと言う人はいないんじゃないでしょうか(※あくまで偏見)
4つの登山ルートが用意されていて、令和元年における開山期間中の登山者数は、約23万6千人にものぼります。*1
日本のシンボル的存在にして、圧倒的人気を誇る山、それが富士山です。
1.須走ルート:5合目~新6合目
今回は、4つある登山ルートの中のひとつ、須走ルートから富士山山頂を目指しました。
登山の工程としては、まず本八合目まで登り、山頂直下の山小屋で一泊。
そして翌日、山頂へ登ってから一気に下山するという、一泊二日のスケジュールとなっています。
須走ルートの開始地点は、富士山五合目となる須走口になります。
麓から登山口までの道のりはマイカー規制がしかれていて、専用の登山バスに乗ってのアクセスになります。
この須走口にはトイレのほか、2件の売店とベンチのほか、臨時案内所がありました。
本格的に登山道が始まるまでの短い間ではありますが、このように道も整備されています。
富士山五合目となる須走口の標高は約,2000メートル。
ここから登山開始です。
ちなみに、入山料として、富士山保全協力金を一人1,000円払う必要があります。
この協力金、調べるとあくまで寄付であり、任意とのことなのですが、その割に払わなければ通さないと言うオーラが凄いです。
別に払うことに文句は無いですが、それなら「寄付金・任意」というのは撤回した方が良いんじゃないかなぁ、と思いました。
普通に入山料にすれば良いじゃない(苦笑)
まあそんなことは置いておいて。
舗装された道を少し進むと、やがて古御岳神社という神社が見えてきます。
この古御岳神社を過ぎると、道はいよいよ本格的な登山道となっていきます。
道はところどころ階段などが設けられていましたが、基本的に溶岩がゴロゴロしている状態でした。
このブログで紹介した山にも火山が多くありましたが、こう言った種類の溶岩が多く見られる山は初めてかもしれません。
この溶岩の感じも、まさしくTHE・富士山!といった感じがします笑
富士の樹海と言えば何だか不気味なものを感じる方もいるかもしれませんが、こうして登山道を歩いていると、まるでそんな事はありません。
むしろ深い緑の景色が心地よく、どことなく神秘的な雰囲気すら感じられました笑
そして少しのあいだ樹林帯を歩いていくと、やがて高い木々が姿を消し始めます。
ここからは、だんだんと荒涼とした景色の中を進んでいくようになりました。
この辺りを歩いていて面白かったのが、次の写真に写る木。
枝が、見事に一側面だけ伸びていないんですねぇ。
面白いですねぇ。
山頂から吹き下ろす風が強くて枝が育たないとか、そう言った感じなのでしょうか。
背の高い木々が途切れ視界が広がるので、目指す山頂を仰ぎ見ることが出来ます。
まだまだ先は長い……笑
だんだんと背が低くなっていく木々。
この辺りでは花もちらほらと見つけることが出来ました。
2.須走ルート:新6合目~本6合目
そして須走口から小休憩も含めて1時間20分ほどで、新六合目に到着到着しました。
標高2,450メートルのここには、長田山荘という山小屋が建っています。
山荘前の広場にはテーブルとベンチが複数設けられているので、休憩にはもってこいの場所のようです。
ちなみにこの山荘、別名をしゃくなげ山荘というのだとか。
毎年七月中旬ごろ、ここから吉田ルート方面へ抜けるコノスジ中途道でシャクナゲの群生を見ることが出来るため、そう呼ばれているそうです。
まあ、今回は須走ルートを進むので、まるで関係のない話ですが笑
ということで、小休憩を挟んだのち、再び歩き始めます。
かわいい。
新六合目から本六合目までは、約40分で登ることが出来ました。
道中の様子は、これまでとあまり変わらない調子です。
標高2,700メートル。
この辺りに来ると、もう背の高い木は見当たりません。
この本六合目には、瀬戸館という山小屋が建っています。
小屋の前には、ここもベンチと机が設置されていたので、ここで昼食をとりました。
ちょっと近づいてきたような気がします。
が、ここから山頂までは更に1,000メートル以上あるという……笑
高い。高いぞ、富士山……!
そして、この瀬戸館からほど近い場所にこんな物が建っていました。
月待塔とは、特定の月齢の夜に集まり、月の出を拝む、故人を供養する等々と言ったことを行う、月待行事という民間信仰に関連したものだそうです。
廿六夜とは、にじゅうろくや(=二十六夜)と読みます。
ネットで調べてみると、「よくここに大量の鈴が供えられている」と言った事が書かれているサイトをちらほら見ました。
しかしこれは月待信仰とは特に関連がない、登山者が雰囲気で行っていることらしいです笑
僕が訪れた時は特にそう言ったことはありませんでしたが、まあ、あまり散らかさないようにしましょう……笑
なにぶん山の上ですゆえ。綺麗な自然を大切に。
3.須走ルート:7合目~本7合目
昼食をとった後は、再び歩き始めます。
ここまで来ると周囲に景色を遮るものはなくなります。
足元も細かな砂礫でできており、一歩足を踏み出すごとに足が少し沈む、と言った感覚の歩行になりました。
本六合目から七合目へは、約30分ほどで到着します。
こちらの山小屋は大陽館。
太陽ではなく、大陽です。
ここ七合目の標高は、3,090メートルだそうです。
ついに3,000メートルを超えました!
そして、この大陽館のある七合目から本七合目へは、約30分ほどで辿り着きます。
新とか本とか、いろいろ多いですね笑
本七合目の標高は3,200メートル。
山頂が3,776メートルですから、残り600メートルを切った事になります。
いよいよ山頂が近づいてきました。
この本七合目に建っている山小屋、見晴館の外観は以下のような感じです。
そしてこちらが本七合目からの景色。
街がたいへん小さいですね。
写真右側に写る三日月のような形をした湖は、山中湖でしょうか。
また写真中央の雲が、太陽に照らされて色づいています。
これを彩雲とは言わないかもしれませんが、何となく近しいものかな?と笑
空が全体的に曇ってしまっているのは残念ですが、綺麗なものを見ることができました。
4.須走ルート:8合目~本8合目
さて、いよいよ山頂直下の八合目が間近となってきました。
この日は本八合の山小屋に宿泊の予定なので、初日のゴールが近づいてきたことになります。
ひたすら岩&細かい砂礫の道を登ります。
重たい荷物、長時間の登りによる疲労もピークに近く……笑
写真に写っている建物は、八合目に建つ山小屋。
こうして見ると近いように思えるけど、これがなかなか遠いんだよなぁ笑
そしてひーひー言いつつ登ること40分で、八合目に到着しました。
こちらの山小屋は江戸屋(下江戸屋)。
この山小屋には、天皇陛下が御宿泊されたこともあるようです。
八合目までやって来たら、もう本八合目はすぐそこ!
体に鞭を打って進みます笑
本八合目へ向かう道中、こんな写真も撮れました。
富士山の影が、はっきりと地上と雲に映し出されています。
この日は登山の開始時間が遅かったため、写真を撮った時点で時刻は18時近くなっていました。
陽もだいぶ傾いていたからこそ、撮れた一枚なのかもしれません。
素晴らしい風景に元気をもらいつつ進むこと約25分。
ついに、この日のゴール地点である本八合目に到着しました!
やったー!
この本八合目には数件の山小屋が建っていて、この日泊まったのは 胸突江戸屋(上江戸屋)です。
疲労でピントが合っていない……笑
ということで、富士山登山初日の道程はここまで。
山小屋で一晩過ごし、翌日はいよいよ富士山山頂に登ります!
5.そして翌日・・・
一日目は山小屋に入った後、夕食を摂ってすぐにバタンキュー。
そしてその夜中に、それは起こってしまったのです。
時刻はまだ陽が昇る前、夜中の四時前頃だったでしょうか。
山頂から御来光を見るぞー!と息巻いていたのですが、起きてみると小屋の様子が何やらおかしい……。
何事ぞ……?と思いつつ小屋の広間に出てみると、同じ目的で起きてきたと思しき他登山客たちでごった返している状態。
そして、広間にこんな声が。
「外は大荒れです!山頂には登れません!」(要約)
え゛っ!?
富士山登山、これにて完。
…………外で暴風雨が吹き荒れておりました……。
居合わせたツアーガイドさんと山小屋主人が揃って、宿泊客へ山頂アタックの中止を呼び掛けていました。
それでも行くなら止めないけど、マジで自己責任だからね……?(要約)といった感じの、ただならぬ調子。
登山で下手なことをすれば冗談抜きで死んでしまうので、もちろん制止を振り切って山頂アタックを敢行するはずもなく……。
すごすごと寝床に戻り、夜明けまで寝ました……爆笑
そして次に起きたのが七時頃だったでしょうか。
相変わらず雨風が酷く、山頂になど登れそうにもなかったため、カッパを着込み、ずぶ濡れになりながら下山したのでした。
ちなみに、この須走ルートは下山専用ルートに、砂走りという場所を通ります。
この砂走り、名前の通り一面砂礫の斜面を七合目から五合目付近までひたすら下る道になっていて、なかなか足腰にきます笑
登りもそうでしたが、足元が砂礫で出来ているので、足が沈むんですね。
滑らない雪道……、と言ったら感覚が近いかもしれません。
そんな道を、雨風に打たれまくりながら下っていきました。
砂走りの道中、奇跡的に一瞬だけ雨が止んだ隙に撮った写真がコチラ。
どれくらい過酷だったかは察してください。
6.おわりに
ということで、人生初富士山でした。
チクショー!
と言いつつ、自然が相手ですし、ちょっと美味しい話なので、わりと嫌いな結末じゃありません笑
もちろん、山頂に登れなかったのは残念ですけどね!
まあ富士山は逃げませんし、またそのうち、再チャレンジしたいと思います。
再チャレンジでも同じようなことになったら流石に泣きますが。
そのときは富士山が嫌いになるかもしれない笑
でも、道中は富士山ならではの景色や雰囲気も楽しめて、楽しい登山でした。
やはり大人気の山ですから、いろいろ他の山とは違う点もありますね。
次回登るときはどのルートを選択するかはわかりませんが……、その時もまた楽しめたらと思います。
ではでは、今回の記事はこの辺で。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
*1:環境省調べ
【祝】あけましておめでとうございます。【2020年】
どうもこんにちは、ちはるです。
早いもので、2019年が終わり、2020年がやってきました。
当ブログを開設したのが前年1月ですから、もうすぐ当ブログも1歳に。
ブログの名前が「自由帳」なわけですから、開設当時はもっといろいろ自由に書き連ねるつもりでいたのですが、気付けばスローペースな登山ブログになっていました。
どうしてこうなったのか笑
果たしてどれだけ楽しんで頂ける記事になっているのか……、自信は全くはない(笑)わけですが、そんな中でも足を運んで下さる方々には本当に感謝です。
そして今年は、相変わらず登山のことなども書き連ねつつ、もっと他の事も書いていけたらなぁ、と思っています。
どんなことを書くかは、全く未定ですが……笑
そんな感じで、新年のご挨拶記事でした。
自由にいろいろ書きたいと言いつつ、次回も登山記事を掲載する予定ですので、お楽しみに!笑
ではでは、どうぞ、本年もよろしくお願い致しますm(_ _)m
【感謝】月刊PVが100PVを突破しました!
どうもこんにちは、ちはるです。
今回はちょっとした御報告をば。
当ブログの7月度の月刊PVが100PV突破しました!!
まあ、それだけと言えばそれだけなのですが、報告&感謝の記事更新です笑
月に1~3記事程度しか更新しない、重湯も閉口すること必至なユルユル運営ですので、清々しいまでの過疎っぷりを見せているブログなわけですが。
そんなブログでさえ足を運んで下さる方々、スター評価を下さる方々のお陰もあり、はてなブログ運営の方から「月刊PV数100超えたで!」的な通知を頂戴することが出来ました。
本当にありがとうございます!
今後も相変わらずマイペースに登山レポートやら感想記事やら、もっと違った趣向の記事を思い付いた時に思い付いただけ投稿していく所存です。
ユルユル運営とはいえ、お時間を頂戴するからにはチョットでも楽しんで頂けるような記事作りを心掛けていきますので、今後ともお付き合い頂ければ嬉しいです!
と、言ったところで今回の記事はおしまいです。
ではでは、ここまで読んで下さりありがとうございました&今後ともよろしくお願いします!