日本百名山・槍ヶ岳登山レポート《後編》
どうもこんにちは、ちはるです。
今回は、先日投稿した槍ヶ岳登山レポート《前編》の続きです。
《後編》は横尾を出発して槍ヶ岳山頂に至るまでの道程を書いていきます!
ということで、まずは登山二日目の様子をご覧ください!
(前回の槍ヶ岳登山レポート《前編》はコチラ)
1.槍見
槍見河原
横尾山荘にて朝食をとった後、槍ヶ岳山頂を目指して歩き始めます。
写真中央にも何やら『危険』と注意書きがあるのが分かると思いますが、ここから先のコースは、普通の登山道となっていきます。
バスターミナルから横尾までの道のりは非常になだらかなので、比較的誰でもアクセスしやすくなっていますが、これ以降はそれなりの準備をして進むことを強くお勧めします。
もちろん、横尾までの道中も、準備が一切いらないという意味ではありませんよ!
写真だと伝わりづらいかもしれませんが、この辺りから森が一層深くなるような印象を受けました。
上高地を歩いている最中も熊の出没情報の掲示をよく目にしましたが、それこそ、熊が本当に出没しても何も不思議ではないな、と感じさせる雰囲気です。
何の実ですかね笑
青々とした苔と水流が、素敵な風景を演出しています。
美しいですね。
もちろん、水の流れは素晴らしい眺めをもたらすだけでなく、こうした形で牙をむいたりもするわけですが笑
実のところ、この前日の未明頃は、関東圏では台風が猛威を振るっていました。
上高地のあたりも同じ台風の影響で、普段より水量が増していたんじゃないかなぁ、と思っています。
そして横尾山荘を出発して40分ほどで、槍見河原という地点に到着しました。
なんでもこの槍見河原からは、槍ヶ岳の穂先を望むことができるそうです。
ただしこの情報、登山後に調べて知ったもので、当時は地名から「もしかして槍ヶ岳が見えるのか……?」程度に考えておりました。
そしてキョロキョロしながら撮った写真がコチラ。
んー、見えない……笑
でも槍見河原の標識がある場所から撮ったので、見えるものならココから見えるのだと思うんですが……。
方角的にはこの方向で正しいようで……、ここから少し道を進んでみても、見えなかったと思うんだけどなぁ。
うーん。
槍見河原では綺麗なノコンギクが揺れておりました。
槍沢ロッヂ
槍見河原の先へ進んでいきます。
槍見河原から少し進むと、一ノ俣橋が現れました。
以前はこの一ノ俣橋付近から、常念岳と横通岳の鞍部にある常念小屋への登山道が伸びていたらしいのですが、今は廃道になっています。
指導標の周囲は開けた場所になっていて、休憩をするには丁度いい場所です。
登山道は、川の流れを横手に続いていきます。
そして一ノ俣から少し進むと、再び橋が現れました。
横尾山荘を出発してから、およそ一時間ほど。
道はまだまだ続きます。
そして、歩き始めてから約1時間10分で、この日の第一中継地点、槍沢ロッヂに到着しました!
小屋の前にはベンチと机が設置されていて、腰を掛けて休憩することが出来ます。
また有料でトイレの利用も可能です。
ここから先の道はいよいよ本格的な登山道となっていくので、呼吸を整え、身支度を整えるのに丁度いい場所です。
素敵な眺めですね。
毎日朝起きて、この景色を見られたらとても幸せそうです。
ちなみに、この槍沢ロッヂではテント泊も可能ですが、テントを張る場所はこの広場ではなく、のちほど登場するババ平という場所がキャンプ指定地となっているようです。
2.槍ヶ岳山荘を目指す
ババ平
と言うことで、槍沢ロッヂにて小休憩後、再び歩き始めました。
ここからの道中には、こんな感じで地名(?)が書かれた岩が所々にあります。
それぞれそのスポットの特徴を表しているのだろうとは思うので、こうした岩に出会ったら辺りを観察してみるのも面白いかもしれません。
ロッヂを出てすぐに出会うこの岩は「槍見」なので、ここから槍ヶ岳の山頂の姿を見ることが出来るのだと思いますが……僕が訪れた時はよくわかりませんでした笑
上高地から槍沢ロッヂにかけての道と打って変わって、ごろごろ岩の転がる足場が目立つようになります。
そして約30分ほど歩いて行くと、槍沢ロッヂの指定キャンプ場であるババ平に到着しました。
このババ平には、キャンプ場というだけあってトイレのほか、水場もありました。
ここから先のルート上、山小屋に到着するまでトイレはありません。
また、水場はこの先に水沢という 水場スポットが存在しますが、あくまで天然の水場なので、「この先に水場がある!」と過信するのは止めておきましょう。
ババ平の辺りから山頂方向を見た写真。
良い眺めです。
いろいろな沢
ババ平を出て、槍ヶ岳山頂を目指します。
登山道の左手には、この様な景色が広がっています。
この辺りの地形は、以前、木曽駒ヶ岳の記事でも紹介したカール地形となっているそうです。
そんな景色を眺めつつ、道をどんどん進んでいくと、行く先々で、いろんな名前の沢と出会いました。
たくさんありますねぇ。
雪解けの時季などは、これらの沢に多くの水が流れているんでしょうか。
そしてババ平から約20分歩くと、槍沢大曲りと言う地点を通過します。
槍沢大曲りを通過した後も、道はまだまだ続きます。
んー、まだまだありますね笑
そして、槍沢大曲りを通過してから更に50分ほど歩くと、やがて槍沢・天狗原分岐に到着します。
この分岐点は、槍ヶ岳山頂方面への道と、天狗原への道との分岐点になります。
この天狗原は別名を氷河公園と呼ばれ、槍穂随一の秘境とも言われるとか。
氷河公園にある天狗池は槍の穂先が写り込むこみ、素晴らしい景色を見ることができるそうです。
槍ヶ岳に向かうルートからは寄り道と言う形になるので今回は足を延ばしませんでしたが、時間と体力に余裕のある人は、立ち寄ってみるのも良いかもしれません。
と、いう事で引き続き登り続けます。
ひたすら登ります。
平らな道ばかりだった1日目に比べ、ハードな道のりです。
そして、黙々と進み続けると、また新たな沢に出会いました。
先ほどもチラッと紹介した、水沢です。
ご覧の通り、水が湧き出ています。
いちおう、この水が飲み水として利用できるそうです。
水量的に心許ない気がしないでもないですが……、時季によっては、汲みやすく豊富な水が湧き出ているのかもしれませんね。
こちらは槍沢。
この沢が、コースやロッヂなどの名前の由来となっているんでしょうか。
山頂が近づいてくる
岩がゴロゴロした斜面を登っていくと、そのうちハイマツが茂る一帯に辿り着きます。
この一帯はグリーンバンドと言って、紅葉の季節などは、とても綺麗な景色が楽しめるそうです。
そして、そのグリーンバンドから山頂方面を仰ぎ見ると……。
ついに、槍の穂先が……!
ちょうど雲が立ち込めて、薄ぼんやりとしていますが、まさに槍の切っ先のごとき山の頂が見えています。
凄いですね、感激です。
ずっと続く登りの道でヘトヘトになっていましたが、この眺めを見ると、元気が戻ってくるような気がします。
そして、この辺りから見た上高地方面の景色はコチラです。
いやぁ、登ってきましたねぇ。
槍の偉容に励まされつつ登ると、やがてとある物が見えてきます。
それがコチラ。
この岩屋は播隆窟と言い、槍ヶ岳の初登攀・開山を成し遂げた播隆上人が、登山のたびに利用した岩屋であるそうです。
もちろん温かい時期に登ったのだろうとは思いますが、こんな場所に寝泊まりするなんて、凄いですね……。
寒くなかったのかな……などなど、そんな事ばかり気になってしまいました笑
さて、いよいよ山頂が近づいてきました
山頂付近の山小屋には、槍ヶ岳山荘の他に殺生ヒュッテという山小屋があります。
この殺生ヒュッテから槍ヶ岳山頂へは、およそ40分ほどで登れるそう。
この辺りから、最後の急な登りになります。
大きな荷物を背負っての登山、既に疲労困憊状態でしたが、何とか気合いで足を動かします。
ようやく、この日泊まる予定の槍ヶ岳山荘の姿も見えてきます。
そして、横尾山荘を出発してから、昼食などの休憩も含めて7時間30分。
ようやく、槍ヶ岳山頂直下の山小屋、槍ヶ岳山荘に到着しました!
いやぁ、もうヘトヘトです笑
3.槍ヶ岳山頂
大変ヘロヘロだったのですが、山荘で一息ついてから、槍ヶ岳山頂を目指しました笑
とは言え、荷物は山小屋に預けての行動なので、身軽な物です。
ちなみに、こちらの槍ヶ岳山荘では、有料でヘルメットの貸し出しを行っています。
山頂部分は岩場になっていて、落石がないとも限らないので、十分に備えていきましょう。
山頂直下の岩場の様子。
こんな感じで、時に鎖や打ち付けられたペグを頼りに、岩場をよじ登っていきます。
今回紹介したコース中では、間違いなく一番の難所。
何かあれば冗談では済まないので、慎重に進みます。
そしてガタつくペグに恐れおののいたりなどしながら岩場を登り、山頂に到着しました!
標高3,180メートル。
日本百名山の一山にして、日本で5番目に高い標高である槍ヶ岳、登頂です!
いやぁ、登りました。
疲労もさることながら、スリルある岩場を最後に登ったこともあり、達成感もひとしおです。
登頂直後は山頂全体が雲に覆われていて、視界がほとんど効かない状態でした。
が、残念に思いつつ岩場を下り始めると、辺りの雲がどんどんと晴れ始めたのです。
「お、これは」と思い、再び山頂に登りなおしてみると(笑)、完全にではありませんが、遠くの景色を見ることが出来ました。
いやぁ、素晴らしい。
少しでも晴れた景色を見ることが出来て本当に良かった!
大部分が雲に覆われていますが……笑
まあそれでも、こうした景色を見れて、登った甲斐があるというものです。
ちなみに、雲が晴れてくれたおかげで、山頂から槍ヶ岳山荘を見下ろすこともできました。
これだけ近くに建っているんですね。
山頂は狭く、他の登山者もいたので、少しだけのんびりしてから、今度こそ岩場を降りていきました。
4.おわりに
ということで、槍ヶ岳登山レポートでした!
《前編》で書いた一日目のルートに比べ、段違いに本格登山な二日目でした笑
それ故にとことん疲れましたが、槍の穂先に立った時の達成感は、これまたその他の山と比較しても、段違いに大きい物だったように思います。
一日目、上高地を進んでいった道中もそうでしたが、景色が本当に素晴らしく、他とは一段違った雰囲気の登山だったので、そう感じたのかもしれません。
山頂からの眺めはだいぶ雲に覆われたものとなってしまいましたが、またいつか再チャレンジしてみるのも良いかなぁ、と思ったり思わなかったり。
ちなみに、三日目は天候が崩れてしまい、終始雨に打たれながらの下山となりました。
富士山の時もそうですが、天気に恵まれてないですね……苦笑
といった感じで、今回の記事はこの辺りで終了したいと思います。
ではでは、ここまで読んで下さり、ありがとうございました!